【映画評】るろうに剣心 京都大火編
遂に見てきました、るろうに剣心の続編。
待っていた感から言えばSPECの劇場版版を待ってた時くらい待ってました。
前作が好評だった分今作は如何に!?
では今日も始まります、拙い映画評。最後までお付き合いください。
【るろうに剣心 京都大火編(2014)/邦画/カラー/139分/監督:大友啓史】
全てにおいてスケールアップ
京都大火編/伝説の最期編の前編後編で描かれるのは原作でも一番人気がある志々雄編。
簡単な内容は
かつて人斬り抜刀斎と呼ばれた伝説の人斬り、緋村剣心(佐藤健)。刀を置き、平穏な生活を送る剣心は、ある日、剣心から影の人斬り役を引き継いだ志々雄真実(藤原竜也)が京都でその名をとどろかせていることを知る。政府が派遣した討伐隊は志々雄を前に成すすべがなく、最後の望みとして剣心に白羽の矢が立つ。志々雄の野心を阻止すべく、剣心は京都へ向かう。(シネマトゥデイ引用)
前作では神谷道場を守る話が今回は京都、そして日本を救う話になります。相手にするのも町のチンピラから国家権力を転覆させることができるほどの軍隊のような者を相手をするので必然的に1対多数の戦闘が多くなり一騎当千ものが多くなります。
そこで前作で好評を博した殺陣のキレッキレさ、スピード感、ちゃんと痛そう感は健在。むしろ殺陣の数も規模も大きくなりさらに見応えはバッチリです。派手なアクションは他の映画にもこのるろうに剣心にも出てきますが剣心の殺陣はちょっと次元が違います。佐藤健にしか出せないあのキレッキレ感は一見の価値があるもの。ハリウッドの刀を使うどのシーンとも違い、日本の時代劇のどの決闘のシーンとも違うものになっています。そして今回も剣心の剣技はもちろん蒼紫の回転剣舞六連もちゃんと出てきますし、なによりも原作を知ってる人なら誰もが気になる宗次郎の縮地もちゃんと出てきます。
この縮地、、原作では目にも止まらぬ速さで移動する技ですが、実写でやる上でギリギリ違和感がなく、かつ異常に早い感がちゃんと表現されてます。確かにあんだけ速かったら実際の世界では縮地と言っても過言ではないような速さです。なんならボルトより速く走ってそう(笑)
そして驚いたのは宗次郎役の神木隆之介くん(なんか君付けで呼ばないとしっくりこない(笑))のアクション。今作では大久保利通暗殺のシーンと新月村で剣心の刀を折るシーンでしか神木君のアクションは出ませんが、前作は佐藤健だからこそ出せるキレッキレさで見るものを魅了していた部分が、今回そのキレッキレさを神木君も出してます。続編制作決定前から宗次郎役を望み、動きや表情、そしてどうやって縮地を見せるかというのを研究していた神木君だからこそ出せるキレッキレ感だと思います(ちなみに神木君はプライベートではドが付くほどのオタク。ちょっとした漫画好きなんてレベルじゃないです(笑))。宗次郎愛が伝わってきます。っとまぁアクションは大満足の出来です。
そして剣心自身も前作に比べ内面を吐露する場面が多く感情移入しやすくなっています。今作は圧倒的に人斬り抜刀斎時代のことを抉っていくので暗く無慈悲なほうにどんどん気持ちが落ちていきます。その暗黒面剣心も良くできていたと思います。赤い袴はるろうにの証なのでそれを置いて人斬り抜刀斎時代のうす暗い色の袴で京都に向かったり、目の前の人だけでも助けられたらというスタンスだった剣心が自分が人斬りを辞めてしまったから生まれた志々雄によって傷つけられた人々が目の前に多数出てしまったので決着をつけに行ったりとエスプリにもとんでます。
で、意外にツボにはまったのが高橋メアリージュン演じる由美。前編の今作には重要な役割はあまりないものの・・・・普通に綺麗(笑)明治にはちょっと不釣り合いなほどに。男がわんさか戦うむさい映画なので出てくると見入ってしまうほど劇中では華があります。
この他にもちょっとした小物から建物にいたるまで前作より遥かに大きく複雑でスケールが大きくなっていて「あぁお金かけてるなぁ」というのがわかります。
ここからはちょっとダメなところ。
やはり漫画原作、そして京都が舞台なのに・・・
前作よりもキャラクターのビジュアルが「お金をかけたコスプレ感」が強い。漫画原作なので仕方がないっちゃ仕方がないが前作は刃衛編までだったのでそこまで「漫画チック」なキャラはいませんでした(あくまで今作に比べればということですよ!(笑))
志々雄は包帯ぐるぐる巻きなのでそんな人が明治にいるかいないかで言えば、いてもおかしくはない。
蒼紫のベンチコートも文明開化の時代・・・・あのスタイルのコートがあってもおかしくはない。
ただ!!!ただ・・・・たとえば帳。金髪リーゼントです。・・・・明治にいます??こんな人(笑)
漫画原作だからしょうがないっていうのはわかりますけど若干こういう部分で急に見てる側が現実に戻されます。他にも剣心の赤髪は仕方ないとして薫が若干茶髪だったり、京都にいる芸者さんが謎に今風の芸者さんだったりとちょっと突っ込みたいところはいくらか出てきます。その度に「明治に金髪リーゼントとかおらんやろう!!・・・まぁしょうがないか」「この時代こんな今風の芸者おらんやろう・・・まぁしょうがないか」って考えてしまい途中ブツブツいろいろ途切れてしまいます。
あと今回一番言いたいこと!!!!!!それは「エセ関西弁」!!!!
京都での話が半分以上やのにまともな関西弁を使ってるのは高橋メアリージュン演じる由美とこの金髪リーゼント君だけ(笑)けったいな関西弁ですけどイントネーションは完璧の金髪リーゼント君(笑)
操の関西弁は完全にアウト。会話の内容は大丈夫ですがイントネーションが完全に「指導を受けて喋る関西弁」。イントネーションの付け所が若干おかしく、多分劇場で見てた人たちは全員気になってたんちゃうかなぁと思います。
セットやアクションにお金をかけるのも良いけど、まずは観客がダイレクトにわかる言葉やエキストラをしっかりしてほしかったです。そこまでこだわっておいてこういうところで手を抜かれると一気に「詰めの甘い映画」になってしまいます。
言葉はこれに限らず、なんでもそうです。だいたいアニメやドラマに出てくる関西弁は大抵おかしい。コナンの服部なんて異常の極致です。あんな関西弁、いまどき下町のコテコテのおばちゃんでも話してる人いません。
この他にも若干話が長かったり映画オリジナルの志々雄の影武者がゾロゾロ出てきたり、ちょっと完全ネタな部分もありますが概ね許容範囲です。
総じて
満足です。多少の欠点はあるものの期待通りのアクションとストーリー展開を見せてくれました。
やはり前編ということで面白いところは全部後編に持って行った感はありますが、煩わしくはなく壮大な前振りは見てて後編を期待させます。
そして最後に出てくる福山雅治。・・・・・・・・・・・まぁ明らかに比古清十郎ですよね(笑)
原作ではガタイが良いからこそ飛天御剣流継承者のはずなのにあんなヒョロヒョロでいいのかとも思いますが・・・かといって北斗明みたいなんが出てきても困ります。
佐藤健の事務所の大先輩で次回作があれば出ると佐藤健に約束し、大友監督の龍馬伝で主人公の坂本竜馬を演じた福山雅治。まぁ貫禄と説得力という面ではやっぱこの配役が良いのかもしれません。
昨今のハリウッド映画のバリバリCGのような見ててなんの目新しさの欠片もないアクションより、圧倒的に見応えのあるアクションを見せてくれる今作。1作目も原作もを見てなくても大丈夫なので一回劇場に見に行ってみてください。邦画を毛嫌いしてる人に程見てほしいです。
p.s.映画が始まる前にホットロードの予告編がありますが・・・・これがなかなかうざいです(笑)尾崎豊の曲に合わせて曲1本分の予告編を流してきます。ご注意あれ(笑)
p.s.2 エンディングがone ok rockの新曲mighty long fallなのでライブ以外で大音量で聞ける稀なチャンス。是非ご堪能あれ(笑)