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【映画評】ワイルドスピード7 SKY MISSION

アベンジャーズ2の記事書こうと思ってたんですけど・・・

せっかく読んでもらうのにひたすら貶すこと書いていても気分良くないと思いますし自分も嫌なので、

あとで書こうと思っていたこの記事を。

もう公開終わっちゃったんで、見に行ってくださいとは言えないんですが・・・

ワイルドスピード7です。

 レンタル開始くらいに合わせて書こうと思っていました。

自分が見に行ったのが公開終了間際でして・・・(汗)

 ただ、映画館でここまで感動(ストーリーもさることながら)したのは久しぶりでした。本当なら「是非映画間に見に行ってください」と言いたいところです(いつも映画館行けって言ってますけど(笑))

ではでは、前置きはこの辺にして、簡単なシリーズ紹介を超絶ザックリ交えて書いていきます。

ワイルドスピードシリーズ

日本では海外ほど注目を集めることが少ないようですが、海外では超絶大人気のドル箱シリーズです。

公開が終わった最新作を含めて7作あります。

どの作品(3はちょっと例外)も主人公のブライアン・オコナー (ポール・ウォーカー)が凶悪犯罪に立ち向かっていくという話が軸です。その過程でストリートレースやスーパーカー、超絶ドライブ技術が登場します。

1、2はどちらかというと潜入捜査モノ的な要素が強いです。3はほぼ番外編。3で少し中だるみしましたが、4からはシリーズを仕切り直し、最新作の7まではオーシャンズ11のようなプロフェッショナルが集まって事件を解決していくというような流れになります。

そしてワイルドセブンシリーズの魅力で有名なのはやはり車。そしてそれを使ったカーアクションが有名です。

・・・が!!

 7まで見てみるとそれだけじゃないことがよくわかります。

例えば、3公開当初、3は完全な駄作扱い。

実際、後からまとめ見で1から順に見てみても3で「あ、終わったなこのシリーズ」となるほどの出来。

                    ※3は残念ながら東京が舞台です(笑)

 しかし4以降、それも回を増すごとに過去作にまつわるエピソードの使い方が秀逸になっていきます。

終いには6まで見てみると駄作扱いだったはずの3すらも「駄作」として見れなくなるほどです(笑)それほどにシリーズ構成能力が高いです

 そして7まで見てみて思うことは、1,2,3は4以降のシリーズの土台、下地をひくための作品。そして7が今までの総決算です。

時系列は1作目→2作目→4作目→5作目→6作目→3作目→7作目です。

 かなりザックリ説明しましたが、ワイルドスピードシリーズは今レンタルして全作見ても楽しめるので、これからワイルドスピード7がレンタル開始するまでにゆっくり見てみてください。

では本題。↓

【ワイルドスピード7 SKY MISSION(原題:Fast&Furious7)/ 2015年/ 米/ カラー/ 138分/ 監督:James Wan】

巨大な犯罪組織を率いていたオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンス)一味を撃破し、彼から恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)を取り戻したドミニク(ヴィン・ディーゼル)。ロサンゼルスへと戻った彼は、相棒のブライアン(ポール・ウォーカー)や妹のミア(ジョーダナ・ブリュースター)らと平穏な毎日を過ごしていた。しかし、オーウェンの兄である特殊部隊出身の暗殺者デッカード(ジェイソン・ステイサム)が復讐(ふくしゅう)を開始し……。(シネマトゥデイより抜粋)

歴史的大ヒット  

 まず初めに、このワイルドスピード7SKY MISSION、世界的大メガヒットしていたのをご存知ですか??

正直な所、ここ日本ではそこまで流行っていたイメージはないでしょう。

アナ雪みたいな流行があったわけでも、ハリポタ並みの知名度があったわけでもないですから。

「あ~、あれの最新作が公開したんだ~」くらいの認知度じゃありませんでしたか??

しかし世界歴代興行収入で見ると、1位アバター、2位タイタニック、3位アベンジャーズ・・・では4位は何か?

・・・・これです!!

皆さんご存知、レリゴーアナ雪を抑えて1500億円以上の興行収入をあげて4位に入っています(ちなみに邦画で100億円以上の興行収入獲得作品はわずか6作。うち4作がジブリです)。

ツッコミ所は満載  

 今作、話としては総決算に相応しい総まとめになっていますし、アクションのどれも派手でスケールが大きく、見ごたえがあります。

・・・・しかし内容は突っ込みどころ満載(笑)

車がスカイダイビングしたりとか、

最強のシステムを強奪したのにそれを扱う悪役がアホすぎるとか、どのきっかけで記憶戻ったのか疑惑とか、最強ハゲ紳士ジェイソン・ステイサムがターミネーター2のT-1000か!!ってぐらいの無敵具合で登場したりとか(笑)

 まぁもともとこのシリーズは筋肉馬鹿的なノリがあるのでそのへんも大丈夫w

見ていて楽しいレベルです(笑)(それに比べアベンジャーズ2ときたら・・・・)

 しかし別に物語が破綻しているだとか、総決算としてどうなんだ?っていうことにはなっていません。後述のことを抜いたとしてもシリーズ総決算としての役割はちゃんと果たせています。

それよりも。。

この映画で語るべきもの  

ではなぜこの映画が人の心を掴み、歴代興行収入4位の快挙を成し遂げたのか?

それは大人気シリーズ総決算ということもありますが、それよりも主演ポールウォーカーの遺作で追悼映画だからということに尽きるでしょう。

                           ※実際の事故現場の様子

このシリーズ主演のポール・ウォーカーは本作クランクアップ前の2013年11月30日に皮肉にも交通事故で亡くなっています。ショッキングなニュースと共に、大人気シリーズの制作中止も危ぶまれましたが、代役に弟を立て撮影再開。

 さらにその後、残された遺族、共演者などにまつわる様々な感動的なエピソードが絡み合い、2015年に日の目を見ることになります。なので「公開する」だけでもドラマ性があったわけです。

                             ※ポール・ウォーカー

しかしそのセンセーショナル性、タイムリー性が、本当の意味でこの映画を大ヒットに結びつけたかというとそうではありません。この大きな話題に乗っかった商業的感動、銭ゲバ映画じゃないのか?というのも違います。

なぜならこの映画が共演者、制作陣の愛に溢れた追悼映画として他に類を見ないほどに、あまりにも完璧に完成していたからです。

 前作でポールウォーカー演じるブライアンには子供ができ、今作では周りの仲間がブライアンをこんな危険な生活とは無縁な普通の幸せな生活を送れるようにしてあげようとするくだりがあります。

 その設定に絡めて交わされる各キャラの何気ない会話、ブライアンが家族を思う心情、そして最後のブライアンとドミニクのシーン、そのどれもが現実の出来事を知っている人なら映画と現実をリンクして考えざるを得ないように出来ています。

映画のセリフなのにポールの遺言に聞こえたり、亡き人を送り出す弔辞に聞こえたりと、作中のあちこちでハッとさせられる部分が多々あるのです。

 制作も若干それを意図しての編集をしている節はありますが、別にわざとらしくそれを見せるようなことはせず、むしろポールの最後の演技を丁寧に大切に扱っているのが伝わってくる編集・構成になっています。

 その積み重ねを経てのあのエンディング、と流れるsee you again

もう泣かないわけにはいきません。(自分は友達と映画を見に行くとどうしても泣けない性質(たち)なんですが、一人で見てたら多分泣きじゃくってたと思いますw)

 しかし一見さんお断りかと言えばそうではありません。追悼映画として完成しているので、今作を見るだけでも感動できます。例えるなら「全然知らない人のお葬式にふらっと行ってしまったのに、そのお葬式のあまりの完璧さと送り出す人たちの熱い気持ちに、全然関係ないのにもらい泣きしてしまうレベル」(ストーリーとして楽しむならせめて前作の6は見ておいた方がいかも)。なので見たことない人でも感動できるのではないかと思います。

総評  

 この一作だけで本編を完全に楽しむことは多分できないでしょう。話的にも前作の続きで、なおかつシリーズの総決算的立ち位置にある作品ですから。

 そして一見さんお断りではないと先ほど述べましたが、もしこの「追悼映画」がどれほどのものか興味を持って、見てみたいと思ってくれたのなら、(この一作だけでそれを感じることはできますが)その興味を7ではなく1に向けて、シリーズを全部見てから本作を見てもらいたいです。

どれだけこのシリーズが試行錯誤して良くしようとしてきたか、それに伴い、いかにポールウォーカーが共演者から家族のように愛されていたか、そしてその家族を失った共演者の悲しみを知ってから本作を見ることで、ようやく本作のポテンシャルを100%楽しむことができるでしょう。

 初見の方が6までを見返すことは時間的にも厳しいことかもしれませんが、7で味わえる感動を思えば微々たるものです。そもそも6までもそれぞれよくできていますから苦にはならないと思います。

レンタル開始までにはしばし時間もあるので、それまでに6までをゆっくり総ざらいしておきましょう。

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