【映画評】7番房の奇跡 新しき世界
いや~~もっとブログ更新頻度上げたいんですけどねぇ・・なんかうまく行かず・・・
いつも映画評みたいなことをしてたブログやから趣向を変えて、お盆のこと書いてみたり、最近読んだ本でおもろいのを何冊かまとめて書いてみたりとか、釣り行ったから釣りのことについて書いたりしたんやけど、いざ書き終わって「公開」ボタン押したらクラッシュして全部消えるという災難に3回連続襲われまして・・・。完全に書く意欲を根こそぎ奪われておりました。
お盆と釣りのことはもう話のネタ的にも鮮度が無くなっちゃたんで、本についてはまた気が向いたら書こうと思います。多分クラッシュした理由は執筆(って言ったら大袈裟やけどw)にかなり時間が掛るからやと思います。「セッションがタイムアウトしました」的な感じのクラッシュばっかやからwやっぱ考えながら書くし誤字脱字が無いように何回も読み返すし何なら書いた文章寝かせて書き直したりするときもあるから時間がかかるのよね。
ってことで今回も趣向変わらず映画評(そのうち違う感じのことも書きます(笑))。しかも2本立てなんで前置きはここまでにしておきましょう!!
7番房の奇跡
【7番房の奇跡[原題:7번방의선물]/ 2012/ 韓/ カラー/ 127分/ 監督:イ・ファンギョン】
【娘イェスンと父ヨング】
この映画、現地韓国では歴代興行収入3位の大ヒットで満員御礼ってな爆流行りしてた映画。
ストーリーは
春には黄色いランドセルで学校へ…娘の入学式を夢見ていた知的年齢が6歳の父親ヨングとしっかりものの6歳の娘イェスンに突然の事件が影を落とす。ヨングは殺人の容疑で逮捕、収監。娘はひとり寂しく父を思い、塀の中では父が娘に会いたいと思いを馳せていた。そんなある日、ヨングに命を助けられた7番房の房長と仲間たちが、娘イェスン潜入大作戦を決行!しかし、二人の幸せな時間は長くは続かず…。(HPより抜粋)
ってな感じです。まず最初に言いたいこと言っておきましょうか。
僕自身、ぶっちゃけこういう「知的障害者の親」「しっかり者の子供」「冤罪」「疑うことを知らない親子愛」的な要素は苦手です。基本的に「子供が不幸せになる映画」が嫌いなんです。前に書いたトガニもそうですが例えば・・・A.I.とか誰も知らないとか戦火の中へとかね。 執拗に「拙者が涙腺を刺激してせんじよう」攻撃が来てなんか逆にしらける場合が多いし、どんな理由があれ子供が不幸せになっていい気分になるもんでもないから。ただ韓国であれだけ大流行りしていた映画だけに無視できないということで意を決して去年の9月に難波のbigcatまで見に行き今回そのDVDが出たので見直した次第です。
結果から言うと、、、、全然ありです。
多少の涙腺ぶった斬り抜刀斎演出は出てきますが斜に構えることもなく素直に見れるので「お金払って泣ける話見るのものなぁ」なんて思ってる人にも是非一回見てもらいたいです。一途な親子愛とそれを取り囲む囚人のコミカルさ、基本的にコメディータッチと微小のファンタジー要素で進むので目くじらを立てず内容の割に最後まですんなり見れます。
【刑務所でのシーン】
【同じ部屋の面々】
そしてこの映画しかり韓国映画の良いところは「人の情に訴えられるシーンがちゃんとある」所でもあります。最近の邦画に多いことなんですが(邦画に関わらずアニメも)、「え?なにそんなことをさも正論かのように主人公が語っちゃってんの!?」てのがよくあります。気をてらった演出もたまには必要な場合もありますが、まずは人の情をスクリーンの枠組みの中で如何に訴えかけることができるかっていうのがベタなんですけど結構肝心なことだと思います。そこら辺、この映画含め韓国映画は邦画よりも平均値が上です。
そしてこれはまぁ普通に見てる分には何の問題もないことですが・・・翻訳!!!!!
ちょっと頭をかしげるようなものがいくつかあります。例えば簡単なもので言うと「몸이 안아파요?」ってセリフがあって直訳すると「体痛くないですか?」って意味になるんですが韓国語学習者ならこれが「体の具合悪くないですか?」って意味になることくらいわかります。このセリフは単純に体に痛いところがあるか聞くのではなくて体調の具合を聞くものです。なのにこの「体痛くないですが?」がそのまま採用されてます。
なんでこんなことになるか調べてみたら韓国映画の字幕を付ける際に韓国語→日本語で翻訳するのではなく、韓国語→英語→日本語って順序で字幕を作ることがよくあるようでその言語専門の人を採用しない時がまぁまぁあるみたいです。こんなこと見てたら戸田奈津子さんが韓国映画の字幕つけるのも不可能ではないんやなぁ・・・など意味ないこと思ってみたり(笑)とにかく歴代3位の映画なんやからそれくらいつけてもいいと思います・・・
あと最後に、これはちょっと内容に触れることであり、韓国映画に結構共通する事なんですが・・・・映画において裁判シーンが出てくるとことごとく司法(裁判所・警察官・公務員etc)が腐りきっている演出になります。なんなら裁判シーンがでたらもれなくその流れになるんじゃないかってくらいにみんな腐ってます(笑)
今回も娘を主人公に殺されたと思いこんでいる警察庁長官が完全に憂さ晴らしとしてろくな捜査もせず書類をでっちあげ冤罪を主人公に被せ、しまいには恐喝までします。
基本的にどの映画の中でも大企業や司法の上層部は真っ黒です。大抵の裁判シーンでは地位や権力や財産を守るために、またはそれを私的に乱用する腐りきった高官僚や政治家が裁判所を牛耳っていて、社会的弱者がいかに立ち向かっていくかっていう構図になります。
【娘を殺された警察庁長官。】
それを証明するかのように実際にあったアンケートで「刑事裁判は、裕福な人とそうでない人、社会的地位の高い人とそうでない人との間で、全く同様に正義にかない、公正に行われていると思うか」という質問に対して、回答者の83.7%が「そう思わない」と答えるほど、韓国国民の刑事司法制度に対する信頼は地に落ちていたのも事実で、そこから死刑制度を凍結したり弁護士の立ち会いや会話の録音を義務化し裁判の過程を透明化しイメージ回復改革を行ったりもしてきました。
今回成長したイェスンが弁護士の卵として父の汚名を晴らす姿はそういう一連の流れとも重なります。本作が韓国で絶大な支持を受けたのもこれが理由の一つでもあると思います。
追記にはなりますが別に日本の司法が偉く素晴らしい物って言うつもりではありません。個人の地位や財産で判決が変わるようなことは韓国より少ないかもしれませんが財政官と大企業が癒着して企業に有利な判決が下ったりすることは多々あり正義の名において刑が下されてるとは言い難いのも多いです。明らかな冤罪もあります。発展途上国のようなあからさまな賄賂は減ったとしても問題が無くなったわけではないことは書いておきます
感想としては満足です!!アイアムサム、ライフイズビューティフル、ショーシャンクの空などが好きな人ならまず見て損はなし。重すぎるのはいらんけどなんか感動出来て良い映画見たいなぁって人も良し!!韓国映画入門としても良い映画だと思います!!昨日からレンタルも開始されたので週末暇な人は是非どうぞ。大人イェスンを演じたパクシネ。僕・・・好きです(笑)
そして2本目も韓国映画(笑)!!
新しき世界
【新しき世界[原題:신세계]/ 2013/ 韓/ カラー/ 134分/ 監督:パク・フンジョン】
韓国最大の犯罪組織に潜入捜査して8年がたつ警察官ジャソンは、自分と同じ中国系韓国人で組織のナンバー2であるチョン・チョンが自分に対して信頼を寄せていることを知り、組織を裏切っていることに複雑な思いを抱く。しかし、警察の上司カン課長の命令には従うしかなく、葛藤する日々を送っていたある日、組織のリーダーが急死。後継者争いが起こる。カン課長はその機に乗じて組織の壊滅を狙った「新世界」作戦をジョンソンに命じるが……。
去年卒業旅行で韓国に行った際に大邱に着いた日の夜中の2時くらいから友達と映画館に見に行ったという謎の思い出がある映画(笑)
内容的にはよくある潜入捜査物。警察がヤクザに潜入捜査して警察としての葛藤といやがおうにも組の世継ぎ問題に巻き込まれていく姿を描くというゴッドファーザー+インファナルアフェアという感じ。見応えはあって、韓国映画なんで構成も素晴らしいですけど・・・目新しさはぶっちゃけあんまりないです。
じゃぁなんでこれを書くのか。それは上でも少し触れた事なんですが、、、翻訳です!
初めて映画館で字幕なしで見た時、口悪すぎて聞き取れないくらい悪口連発でした(笑)「し〇る!!!!け~~~〇っき!!!あい~~~~っし!!!!」が基礎セリフw
語尾に「し〇る」付けな喋れんのか!?ってくらいついてますwww英語でいう所のFu〇k!!!! Sh〇t!!!!!Mother Fu〇cker!!!!!みたいなもん。
僕自身翻訳するときに一番困るのがこの悪口。歯が浮くくらい甘い言葉も卑しい皮肉も日本語にはできます。でも韓国語におけるこの悪口の数々、多分日本語に相当する言葉がないんですよ。韓国語の「し〇る」って単語は英語のFu〇kに意味合いは似てるんですがこれに「くそ」ってつけてもニュアンス的に圧倒的に弱い。「けー〇っき」という直訳すると「犬同然のこんちきしょう」みたいな意味の悪口も「ボンクラ」「糞野郎」「クズ」「犬こんちきしょう」ってあてがっても弱い。よく韓国語入門者にこれの意味は?って聞かれることがありますが「最上級の侮辱表現」としか答えられません。時と場合によりますがどちらも面と向かって言うと一発で拳が飛んでくる単語です。むやみやたらとは言わないようにしましょう。
ということでね、この映画を初めて見た時から「この字幕はいったいどうやって訳すんや!?」と気になってた次第です(笑)
その答えがこれ
やっぱこう訳すしかないんですね・・(笑)注意深く見てたのですが、この映画の中で例えば100個の「し〇る」が出たとしたら直接訳されたのは15個くらいです。他は「~やりやがって」とか「何やってくれてんじゃ」とか文章の中の言葉を汚くすることでうまくカモフラージュされてました。それでも半分以上の「し〇る」は無視されてましたが・・・
あとチョンチョンの喋り方(方言?訛り?みたいなもの)は完全総無視で翻訳されてたのもすこしがっかり。かといって福岡弁とか広島弁になっても違和感あるけどなんかいい方法なかったかなぁと思います。本当にいい演技してるからね。(↓一枚目の人)
やっぱりヤ〇ザ映画ということでみんな渋い(笑2枚目のアリキリの片方がそのまま大きくなった感じのパクソンウンwwアリキリの人のイメージがあるからすごむと怖い怖い!!そして最後の写真のおっちゃん、チェ・ミンシク。ぶっちゃけこの人が出てる映画や作品はほとんどいいです!!どこかで見かけたら見ることをお勧めします。
ってな感じで出てる面々を見てるだけでも絵になる新世界。言葉使いが気になったあなた!!そしてさっき書いたディパーテッド、ゴッドファザー、インファナルアフェアが好きな人は是非!!
あぁだらだら長くなった。てか疲れたwww次書くブログは短く簡潔なものにしよう。。
ってことで最後まで読んでくれてありがとうございました!!ではまた次回!!