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新世紀エヴァンゲリオンとヱヴァンゲリヲン新劇場版について

皆さん、金曜ロードショウでやっていた「3週連続ヱヴァ祭り」、見ました?

放送されたのはヱヴァンゲリヲン新劇場版4部作のうち現在公開されていた3つのうちの3つ目。

あまりアニメとか見ない人にはただのよくある「劇場版最新作、遂にTV初登場」くらいのもんですが、ディープなオタクからライトなオタクまでその界隈の人にとっては凄いお祭り騒ぎでした。

るろうに剣心実写化?宇宙兄弟初の劇場版?ドラえもんが3Dに?

そんなの比じゃないくらいのお祭りが人知れず水面下で3週連続繰り返されていたのです。

しいて言うなら表の世界で妖怪ウォッチが大流行しニュースにも取り上げられている最中、裏の世界ではそれと同じくらいの勢いでこの「3週連続ヱヴァ祭り」は盛り上がっていました。(卑下しているわけではないですよ(笑)むしろ僕はるろ剣もドラえもんも全部見ました(笑))。

ではなぜもう20年近く前の作品のリメイクのような作品がここまで取り沙汰され今でも盛り上がるのか?名前はよく聞くからちょっとは知った気になってたけど実はあまり知られてないほんとのところ。今回はそこについて時系列順に見ていきましょう。

内容や設定には深く触れず、相当かいつまんで書きますが今回はかなりオタク入ります。そういうのに全く耐性がない人は戻ってください(笑)少しでも「なんかよう知らんけど盛り上がってんなぁ」とか「途中から見てよく理解できなかったけど凄かった」なんて感じた人はそのままどうぞ。

新世紀エヴァンゲリオンとは  

まず「エヴァとは」から始めないといけません。

誰でも名前は聞いたことはあるであろう「新世紀エヴァンゲリオン」。「綾波レイ」や「アスカ」なんていう名前も聞いたことがある人は多いと思います。

庵野秀明監督が手掛けた1996年から放送された全26話+劇場版2作からなるこのアニメ。当時6歳でリアルタイムで全部見ていたわけではないのでどれほど話題だったのかはよくわかりませんが、謎が謎を呼ぶストーリー、派手な対戦シーン、宗教じみた設定、細かな思春期の複雑な精神描写を交え一大社会現象を巻き起こします。どんなグッズでもエヴァという名が付けばバカ売れ完売御礼。ローソンでの一番くじなどのグッズ販売やイベントは今でも売り切れ満員になることがよくあります。

もともと一般的に子供が見る物として扱われていたアニメを今の「オタク文化」として大人が見れるものにまで引き上げ、「オタク」という存在と単語を一般的に広めたきっかけになり、今ではどこにでもいる綾波系と言われるキャラを定着させ、音楽に合わせ映像をフラッシュ再生する技法を初めて日本で取り入れた作品でもあります。簡単に言えばそれ以降のアニメの方向性や基盤を築いた作品と言っても過言ではないです。

またエヴァ好きを公言する有名人も多く、アメトーークのエヴァ芸人等も話題になりました。エヴァ好き有名人は書ききれないのでリンク貼っておきます

http://matome.naver.jp/odai/2140063707350274201

説明不足過ぎる内容と推測と庵野の罠  

個人的な意見としてエヴァの最大の特徴であり魅力は「説明不足」にあると思います。

どこからともなく何故だかわからないが敵がやってくる。

そしてなんでかわからないが突然主人公はエヴァというロボットみたいな物に乗せられる羽目になり痛い目をしてまでその敵を倒し世界を救わないといけない状態になる。

しかしその裏では謎の秘密結社が謎の計画を進めており、どうやらそれが物凄そうだ。

ってな具合です(笑)

エヴァ好きが見たら怒られそうな説明ですが、実はそれらには全部細かい設定やキーワードがあります。しかし最低限ストーリーを展開するのに必要な分だけを出し、「これ!!」という明確な説明もなく、数少ないキーワードを視聴者自ら繋ぎ合わせ辻褄の合う解釈をしなくてはなりません。

なので「悪い敵がいる→やっつけて世界を救う」という単純な話ではなく、掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げれます。その掘り下げれる具合が半端ないです。

例えばモナリザみたいなもんです。

もしかしたらダヴィンチはただ単純に生涯忘れられない女性の肖像画を描いただけなのかもしれないのに、後世の人がやれ背景の描写がうんたらかんたら、やれ人物と背景の比率がうんちゃらかんちゃら、やれ女性の手にしてはこの手は大きすぎるうんちゃらかんちゃら。。。

そういう推測がエヴァにもできるんです。

ただの浄水施設なのに上から見るとキリスト教に出てくる図に似せて描いていたり、ただ人と建物の柱の影が重なっているだけなのに十字架を背負っているように描いたり。あの時のセリh以下略。

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ただでさえ難解なストーリーなのに直接ストーリーとは関係ない所でも(掘り下げれば意味のない描写は一つもないが)そういう細かな意味深描写を説明も無しにいくつも入れるので視聴者はまんまと庵野の思惑通り、話を深追いしあーだこーだ自分の持論を展開するようになります。エヴァの場合、ディープなファンになればなるほどネット住人や友人にどれだけその納得のいく辻褄の合う推測を述べれるかということがステータスになってくる一面もあります。そして制作側から明確な答えは出されないのでこの推測や議論は終わることなく続きます。

ダヴィンチがどう想いモナリザを描いたのかは知りませんが、エヴァのタチの悪さはそれらを全て監督の庵野があえてそうしている所にあります。なのでエヴァファンは往々にして庵野秀明の事が大嫌いで大好きです。

「この展開にすればファンは喜ぶだろう」「こうすれば推測し始めるだろう」「こうすれば・・・以下略」というのが作品を見てて思いっきり伝わってきます。掌で転がされてる感がありありと感じられるのです。

しかし面白いからやめられない、続きが気になるということで見てしまう。幾重に解釈可能なストーリーに加え、このわかっているのにまんまと向こうの策に溺れに行く感じがエヴァの場合、たまらないのです。・・・さすがにちょっと気持ち悪い感じになってきましたね、すいません(笑)

しかしそれがエヴァが20年経った今でも支持され、何かある度に話題になる要因の一つにもなっています。それを証明するように作品が終わってからも庵野が何か一つでもインタビューで発言すればそれをエヴァに照らし合わせ、またあーでもないこーでもないと新解釈を生んでいくことが多々あります。

監督庵野秀明とは  

ちなみにボロカスに性格悪そうに述べてきたこの監督の庵野秀明。

彼は単にエヴァだけを作った人ではありません。古くは宮崎駿の元、風の谷のナウシカでオームが動くシーンで甲羅(?)が一枚一枚バラバラに動き、今見ても独特の動きをするシーンや巨神兵のシーンなど劇中で重要なシーンを制作し、一時はジブリの後継者とまでうたわれた人物。(ジブリの他にも有名な作品の作画を数々こなしてます。)

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最近では風立ちぬで主人公の堀越次郎の声優に宮崎駿から直々に任されたり、鈴木プロデューサーに「宮崎駿が引退した今、次は庵野秀明しかいない。向こう10年は庵野が日本のアニメ界を牽引していくことになると思う」とまで言わしめた人物です。凄い人なんです(笑)

なんとなく「新世紀エヴァンゲリオン」が凄いことはわかってくれました?

ここからようやく今回金曜ロードSHOW!でやっていた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズに繋がります。言っておきますがここまでが前振りです(笑)頑張って読んでください(笑)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版  

以上でお分かりのように95年に発表された26話+劇場版2作品(以下旧シリーズ)でこの凄い盛況っぷり。

これだけで日本アニメ史に残る伝説的なアニメです。そしてここまで話題になり完結したアニメというのはだいたい続編がでません。作品の世界観を壊さないようにパラレルワールドやスピンオフなどを描くことはあれど直接大ヒットした内容を変えるようなことはしないものです。

しかしそこに庵野が2006年に「エヴァを劇場版4部作としてRebuildします。エヴァ発表以降今日までエヴァより新しいアニメはありませんでした。以下略」と爆弾を投下します。

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2006年当時、旧シリーズ公開当時ほどではないもののまだ「エヴァ熱」というものは確かに続いており、エヴァがまだまだ人気コンテンツだった頃にこれです。ファンは狂喜乱舞、僕自身胸が高鳴ったのを覚えています。

ちなみにその声明で「新世紀エヴァンゲリオン」を「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」とすることが発表され、いわずもがな「ヱとヲの文字を変えたのは何故か」などの謎解きが行われました(笑)

制作発表から公開までの間、「そもそもリメイクなのか?」「総集編なのか?」「オリジナルストーリーなのか?」様々な疑問が湧く中、情報は庵野の声明以外一切出てきませんでした。

序  

その後1作目となる「序」を公開。

序は基本的に旧シリーズと同じストーリーで進み終わりですが、一新されたグラフィックと微妙に変わった設定、そして最後のサプライズ演出に「ストーリーはほぼ変わらないもののこれはリメイクではなく新しいエヴァンゲリオンなんだ」とひしひしと感じられるものでした。また序のDVD、Blue-rayが発売された際に初回限定盤には劇場で実際に使用されたネガフィルムが一枚入っているのですが、下の綾波が微笑むシーンのネガには20万円以上の価値が付きました。案の定1作目から2作目の間の数年間、その変わった設定とサプライズ演出についての謎解き、掘り下げは盛んに行われます。(笑)

旧シリーズ終了以降、弱火になりつつあった「エヴァ熱」が中華料理屋さんのコンロ並みに一気に強火になります(笑)中華鍋に入れられた具材がこれでもかと舞う舞う(笑)

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破  

そして満を持して2作目となる「破」の公開。

中盤までストーリーは旧シリーズをなぞりますが後半からオリジナルストーリー・設定を盛りだくさん入れてきます。旧シリーズを見ている人はストーリーを容易に想像できる上に何年も考えたエヴァについての持論を持っていますが、徐々に旧シリーズとは確実に違う流れになるストーリーに大興奮。新劇場版からヱヴァを見始めた人でも満足のアクションシーンと展開で、破はこれまでにないほどにサービス精神旺盛でエンターテイメント性に富んだ作品になります。現にエヴァを一つも見たことない人や「オタクの象徴」と倦厭してきた人でも破を見て「なんか・・・・見てみようか」と思い始める人も少なくないほどの作品です。

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エヴァがこれまでにない程のサービス精神で描いたド派手なシーンの数々と新キャラの描写、終盤から遂に始まるオリジナルストーリー、旧シリーズから人気絶大でストーリー上特に重要なキャラの登場、最高に気になるところで終わる破。観客の期待値とボルテージを最高潮にまで上げ3作目に続きます。

今思えば、このエヴァとしてはあまりに過剰なまでのサービス精神が前述の「庵野の掌で転がされる感覚」でした。。。

Q  

3作目「Q」が公開。

破で散々盛り上げた観客をどん底にぶち落とします(笑)

旧シリーズと骨組みは同じでも謎すぎる急展開のオリジナルストーリー、膨大な新設定と新用語、置いてけぼりの主人公、置いてけぼりの観客(笑)

とりあえず新劇場版から見てる人は完全に「・・はい??」状態。一見さんお断り。旧シリーズから見ていて一見さんより多少理解できる人でも「・・はい??」状態(笑)感想を求められても「よくわかんない」というのが正直な所。当時映画が終わった瞬間、隣にいたな〇じが驚きが混じった溜息のような「・・・・はぁ」という言葉を漏らしたのをよく覚えています(笑)

しかしここで言っておきたいのは「これでこそエヴァ!!」ということです。

旧シリーズをあまり見ず、新劇場版から入り、Qを見て嫌になったそこのあなた。もう庵野監督の掌の上です(笑)旧シリーズも後半になるにつれ鬱展開。クライマックスはもうストーリーが破綻し、わけがわからず物議をかもしました。散々盛り上げておいてそれかい!!!という失望感と虚無感が襲ってきます。しかしそれがまたエヴァの醍醐味でもあります。逆にその展開だったからこそ議論が活発化し、今の人気に繋がった節すらあります。実際Qでのわけわからない新設定と新用語のせいでファンははあらゆるところから情報を集め、エヴァ史上もっとも熱く自分の推測が取り交わされました。

破で作り出した「これからどこに向かうのだろう」というワクワク感と一抹の不安をQはほぼ完全なオリジナルストーリーと原点回帰で見事に答えたと言えます。わけはわかりませんが(笑)

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ちなみにここまで読んだ方ならわかると思いますがこの記事に具体的なストーリーは書いていません。これは書けないからです(笑)Qはその極致です。

金曜ロードSHOW!3週連続ヱヴァ祭り  

そして話は昨日に至ります。

Q公開以降2年間全く新情報のアナウンスはなくファンはそれぞれの推測を語る毎日。

そこに先月の「3週連続エヴァ祭り」のニュース。

以前、破公開後に金曜ロードSHOW!でQの新情報と新予告を流したことから今回の「3週連続ヱヴァ祭り」も何か新しい情報が出てくるだろうというのが大方の予測でした。

しかしエヴァには「予告編」について前科があります。それは破公開当時に一緒に流したQの予告編に出てくるシーンが、実際に公開されたQには全く出てこなかったということです。サザエさんの予告で「さ~て来週のサザエさんは~??A,B,Cの三本です。来週もまた見てね~ジャn以下略」と言っておきながら実際次週見てみると「X,Y,Z」だったという感じ(笑)完全にやられた、なんじゃこりゃ状態です(笑)

それも相まって2年前のQ公開から今日まで議論は取り交わされるものの、「結局予告編は意味ないもんだろ」「どうせ今回も総スカンくらうんではないか」的な部分が数多くありました。

2年前からある予告編では次回作のタイトルの表記はこれ↓↓

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次回作の唯一の手がかりであり、最後に音楽用語でいう所の「リピート」マークがついた表記。

さらに「シン」という言葉が付き、今まで「ヱヴァンゲリヲン」という表記だったのが「エ」と「オ」に戻っています。リピートマークがついているのでやはりパラレルワールドか?それともエとオに戻ったことから前作に繋がるような話になるのか?しかしシンという言葉が付いているのはどういうことか。これだけでネットで探せば腐るほどいろんな推測が出てきます。

そんな中ようやく新情報解禁かと騒がれた昨日の金曜ロードSHOW!ファンが待ちに待った新情報・新予告があったかどうかの結果がこれ↓↓↓

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アニメとしての動く新予告編はなく、最終話の表記が変わりました。「リピート」を表す記号があったものから3.0+1.0に変更。「シン」の文字も消え英語表記に。Nは重なるようにデザインされました。

ファンはこれだけの情報であれやこれやと憶測をもう始めてます(笑)これの公開直後、少しでも情報を得ようとするファンで公式サイトはパンク状態。

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新予告がなかったことに残念な気持ちはありますが、気長に待つとしましょう。

最後まで読んでくれたあなた。凄いです(笑)

僕でもこんな長いブログはなかなか読まないかもしれません(笑)それでも読んでくれたあなた。

本当にありがとうございます。

個人的な予想として多分来年後半くらいに公開になるであろう「EVANGELION:3.0+1.0」。

何故来年かというとエヴァの作中の年代設定が2015年になっているからです。漫画版のエヴァの最終巻は今年の11月に発売、その時くらいに新情報をまた出すでしょう。なのでエヴァを公開する年として2015年はある意味アニバーサリーイヤーでおあつらえ向きなのです。

そしてもし公開される日が来たらその日はお祭り騒ぎでしょう。なんと言っても20年近く騒がれてきたエヴァサーガの最終作。その時、前売り券は争奪戦になり、もはや1800円の映画チケットはただの映画観賞券ではありません。この一大エヴァ祭りに参加できるチケットです。

その時に傍からそれを見るのかはたまた便乗してみるのか。

日常ではなかなかありえない珍しく盛大なお祭り騒ぎ。

公開までにはまだ時間はあります。それまでに一通り見てみて・・・・・

そのお祭り騒ぎに便乗してみませんか??

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