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漫画版風の谷のナウシカ

皆さん、ジブリ映画好きですか?

賛否両論あるジブリ映画ですが僕は結構好きです。・・・・結構じゃないですね、かなり好きです。

設定の矛盾であったり突っ込み所はあるにしても、メインテーマをちゃんと軸に置き、エンターテイメント性を損なわず視聴者に訴えかけられる話を1話完結で作るのは何気に凄いことだと思います。

しかし!!ジブリ映画の中には映画内で語られてないだけで原作や小説版では後日談や追加エピソードがあるものがあります。

例えば天空の城ラピュタの小説版では一連の出来事の後、シータとパズーが文通をする場面がありますし、魔女の宅急便の小説版ではトンボとキキが結婚して子供まで出てきます。ジブリ作品の場合、原作よりも映画版のシナリオがあまりにも有名で愛されてしまうので原作との違いがあると過剰に驚いてしまうものなんですね。

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そんな中で今日取り上げたいのは・・・・・・・・・風の谷のナウシカ!!!!!

「映画は見たけど漫画は読んでないわ」って方結構多いんじゃないでしょうか??

そもそも原作の漫画があること自体知らないって方は・・・・まぁほとんどいないか(笑)

ナウシカの漫画を読んでない方へ、いつも言うあのセリフを言いましょう。

「それ、損してます」(笑)

漫画版は読んでしまうと、劇場版の設定が全部ひっくり返ってしまう内容となっています。

またそれに伴い情報量も設定も大量で複雑になっているので上手く伝えられるかはわかりませんがこのブログでは漫画版を紹介していこうと思います。最後までお付き合いください。

3分でわかる劇場版風の谷のナウシカ  

恐らく日本人なら誰でも知っているであろう劇場版風の谷のナウシカのおさらいから。

まぁ知っている人は読まなくても大丈夫です。

火の七日間で先文明が崩壊し腐海と蟲が世界を牛耳ってしまった世界。

海風によって腐海から守られ、平穏を維持している風の谷。

風を巧みに操り、恐れられている蟲たちとも心を通わせることができる姫ナウシカの下に剣士ユパが訪れる。

そんなある日トルメキアの貨物船が風の谷に不時着。中からかつて火の七日間を起こした巨神兵の卵が発見され一大事となる。

その卵を回収しようと皇女クシャナ率いるトルメキア軍が風の谷を占領。ナウシカの父ジルを殺害してしまう。

ナウシカが捕虜として連れて行かれるが、道中、ペジテの王子アスベルがトルメキア艦隊をガンシップで奇襲し混乱に乗じナウシカは脱出。アスベルと共に腐海の奥へと入ってしまうが清浄な空間を発見する。そこで腐海の秘密(腐海が汚れた空気や土壌を浄化していたこと)を知る。長靴いっぱい食べたいよ。

腐海を脱出しペジテに向かうが、ペジテは蟲に襲われ崩壊してしまっていた。事情を聴くと「ペジテはトルメキアに一度は占領されたが、王蟲の仲間を助ける習性を利用し、自分達の街と引き換えにトルメキア軍を追い払った。巨神兵の卵はもともとペジテで発見したものなのでそれを取り返す為に同じ方法で風の谷も襲撃させる」とのこと。

その計画を知ったナウシカは急いで風の谷に戻り、その計画を阻止し、王蟲の幼生を守ったナウシカだったが怒りで我を忘れた王蟲の大群はそのまま風の谷に向かってしまう。

そこへクシャナ率いる巨神兵が登場。薙ぎ払え!強力なビームで一部を退けるが焼け石に水。さらには孵化させるのを急いだせいで巨神兵は未成熟のまま生まれてしまい、あえなく身体は崩壊する。

ナウシカは王蟲の幼生と共に大群の前に立ち、身を挺して風の谷を守ろうとするが、怒りで我を忘れた王蟲にいとも簡単に跳ね飛ばされてしまう。

武器や重火器、はたまた巨神兵までを用いても止まることのなかった王蟲だったが「王蟲の幼生を王蟲に返す」「風の谷を守りたい」という一心で身を挺したナウシカをはねた事により、王蟲の眼からは怒りの色が消え、進行は遂に止まる。

しかし民に愛され、懸命に王蟲から谷を守ってくれたナウシカはもういない。風の谷の民は嘆き悲しんだ。。。

しかしここで奇跡が起こる。

王蟲は自らの触手によりナウシカを蘇生。ナウシカは王蟲の血に染まった青い服を着て、たくさん集まった王蟲の金色の触手の上に立つ。

決して人間に心を開かず、歩み寄ることのなかった蟲だったかが王蟲はナウシカを助けた。その様は遥か昔から伝え聞く「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」という伝承を再現するようであった。

っというのが劇場版風の谷のナウシカのお話。環境破壊、進み過ぎた科学の末路、大国の侵略などを強調したのが映画版です。

漫画版風の谷のナウシカ  

では漫画版はどうでしょう。

漫画は全7巻あり、劇場版はそのうちの2巻の途中までを描いています。

あれだけ描いておきなが漫画ではたったの2巻分であす。劇場版はこの漫画版を原作とし、大筋は同じですが細かい設定やシチュエーションが違い、またたくさんの事を省いています。

漫画版では種の存亡をかけた覇権争いが行われており、映画版でも出てきたトルメキアと、原作にしか出てこない土鬼(ドルク)という2大大国の間で勃発した「トルメキア戦役」を通して物語は描かれます。このトルメキア戦役の中で渦巻く王位継承者争い、人種差別、相容れない宗教感、血みどろの復讐劇、世界の成り立ちなどを全面に押し出し、登場人物も蟲を使役する蟲使いから超能力者、果ては火の七日間より前の先時代文明まで出てきます。

ぱっと見カオスですが、これがごちゃ混ぜにならずちゃんとまとまっているのが凄い所。

漫画版の世界ではトルメキアを大量の兵士と重火器で戦う中世ヨーロッパ的な国(科学)とするなら、土鬼は宗教論と超能力で応戦するアジア諸国(宗教)のようなイメージです。

また漫画版風の谷のナウシカは後の漫画・アニメの著名人にも多大な影響を与えており、色んなとこでオマージュされています。例えばエウレカセブンや忘年のザムドを見たことがある方ならわかるかもしれませんが、これらの世界観の下地は漫画版のナウシカからオマージュしたものです。特に忘年のザムドはかなり似た作りになっています。

では話の大筋を2巻以降の部分から書いていきましょう。内容としてはたくさんあり、複雑なのでかいつまんでキャラごとに説明していきます。ネタバレ含みます。

漫画版ストーリー  

ナウシカ:奇跡的に王蟲の進行を止めたナウシカ(漫画版ではこの時点で巨神兵は出ていない)。

しかしその裏で土鬼軍がバイオテクノロジーで腐海の植物を人工的に作り出さすことに成功し、突然変異体が誕生。この突然変異体が原因で大海嘯(蟲が大移動することによって腐海が爆発的に増え腐海領域を拡大する事。この1000年の間に数回起こっているがその度に大国が潰れ文明レベルも下がってきた。) が起こることを知ったナウシカはそれを止めるために時にはトルメキア軍と共に、時には土鬼軍と共に行動するも、どちらにもつかず人類の存亡を憂う一人の人間として世界を駆け巡ることになる。

道中、念話を使えるようになり、大海嘯の際に目覚めた巨神兵を静める為、「オーマ」と名付け巨神兵を息子とする。そのオーマと共に土鬼の聖都シュワにある墓所でこの世界の仕組み、今後の人類のシナリオを聞かされ、最後の決断をする。その後は土鬼の土地で暮らしその先は風の谷に帰った、あるいは森の人の元へ去ったと言い伝えられている。

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巨神兵オーマ:1000年前の人類によって造られた調停と裁定の神。目覚めた時にはわずかな理解力しかなかったが、ナウシカから名前を授かることで知能が飛躍的に進化。ナウシカの事を母親と思っており、ナウシカの言う事だけを聞く。

ナウシカと共に最終目的地であるシュワの墓所に到着するも墓所の防衛システムであるビームにより瀕死の傷を負ってしまう。最後はナウシカに「私の自慢の息子でした」と看取られながら絶命する。

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ユパ:腐海辺境一の剣術使い。世界を旅し、各国の文化や歴史にも造詣が深い。

大海嘯終結後、アスベルと行動を共にする。しかしトルメキア軍への復讐を誓ったとある土鬼の女性がトルメキア兵に手りゅう弾を投げ、それを庇い左腕を失くしてしまう。その女性を諭すものの、違う土鬼兵がクシャナを襲撃。クシャナに真の王道を見たユパはクシャナを身を挺して守り命を落とす。

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[トルメキア皇国]

クシャナ:トルメキア皇国の第4皇女。劇場版では敵役というイメージが強いものの、漫画版では卓越した戦術と指揮能力、部下を思いやるカリスマ性と思慮深さから部下からの信頼も厚い。

敵国には「トルメキアの白い魔女」とも呼ばれ程恐れられている。

しかしトルメキア皇国の次期王を決める兄弟争いに母を巻き込んでしまい、母は第3皇子に毒薬を盛られ精神がおかしくなってしまう。その復讐心がクシャナの行動理念であったが、第3皇子が蟲にあっけなく殺されたことにより目的を消失。その後ナウシカやユパとの出会いにより真の王道に目覚めていき、トルメキア戦役終結後、王には即位せず生涯代王として、トルメキア中興の祖と言われるまでの見事な手腕でトルメキア皇国を収めていく。

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クロトワ:映画版ではクシャナの参謀。しかし漫画版ではヴ王からクシャナの行動を監視、抹殺を命じられたスパイ。クシャナにはそれがバレており、どちらにせよ殺される身であったことからヴ王を裏切りクシャナにつくことに。以降は優秀な右腕として苦境に立たされたクシャナを助けたりと重要な存在となる。

軍学校の学生で平民の出。持ち前のひょうきんな性格と実力で出世したことで部下からの信頼も厚い。漫画版ナウシカの重厚な話の中で数少ないギャグ要員。

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ヴ王:トルメキアの現国王。肥満体系で自分を朕と呼ぶ。もともとは正当な王の血を継ぐ人物ではないが、その血を受け継ぐクシャナの母と結婚することにより王になった。その引け目からか正当な血を引くクシャナを忌み嫌う。

しかし戦利品を平等に分け与え、戦いにおいても先陣を切って進むなど王に相応しい度量を持つ人物。最終的にシュワの墓所に侵攻しナウシカと共に世界の秘密を知る。最後は墓所の死の光からナウシカを庇い、瀕死の状態になり、私のような統治の仕方をするなと、クシャナに王位を譲って息絶える。

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第3皇子:賢い女と生意気な女を嫌う。部下の死をなんとも思っておらず自分の身が危なくなると真っ先に逃げる。自分の策略をクシャナの母に知られてしまい、母に毒薬を盛る。母の精神は崩壊し、人形をクシャナだと思い込み、本当のクシャナを認識できなくなってしまう。これによりクシャナの復讐の標的になる。第3皇子もクシャナを抹殺しようとするがクワトロの機転により失敗。逃げようとするところを大海嘯により発生した蟲に襲われ死亡した。

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第1,2皇子:双子の様にそっくりな長男と次男。ヴ王とそっくりではあるが兵を見捨てたり、虚偽の申告をするなど中身は未熟。トルメキア軍が土鬼の聖都シュワに侵攻する途中、ナウシカと共に庭の主に捕まってしまい、そこから出られないように精神操作させられてしまう。ナウシカは脱出出来たものの、二人はそのままそこでずっとピアノを演奏し続ける。

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[土鬼諸侯連合]

ミラルパ:土鬼の神聖皇弟。超能力を有さない虚弱な兄に代わり、即位後20年は良き統治者として振る舞っていたものの、民の愚かさに絶望し、以降恐怖政治での統治を始める。しかし有能な者を身分関係なく登用する采配も持っており、統治者としては優秀。

土鬼の王の一族は代々超能力を有しており、ミラルパも持っている。しかし老いを恐れるあまり無理な延命治療によって体は崩壊気味。そんな中、僧正から「青き衣の者」の伝承を体現するナウシカの存在を聞き、危機感からナウシカ抹殺を企てるも、体が弱ったところを兄のナムリスに狙われ抹殺されてしまう。死後、虚無と寂しさを象徴する霊体となり、ナウシカに付きまとうが森の人セリムとナウシカに導かれ腐海の彼岸へと昇天して行った。

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ナムリス:土鬼の神聖皇兄。ミラルパよりも冷酷無比で、人体移植により若い体を有している。弟を殺し実権を掌握すると、クシャナにトルメキアと土鬼の二重帝国を説き、クシャナと政略結婚する。後にオーマと名付けられる巨神兵を率い、ヴ王が治めるトルメキアへ侵攻しようとするもナウシカに阻まれ失敗。この世の矛盾と自らの苦悩をナウシカに打ち明けるも巨神兵によって体を吹き飛ばれてしまう。いまわの際、何故火の七日間以前の技術が自国にあるのか、そしてそれを含めたこの世界の秘密が聖都シュワの墓所にあるとナウシカに告げ腐海へと落ちていく。

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チャルカ:土鬼の軍事司令。国と民の事を第一に考える優秀な人物だがトルメキアとの戦いで味方軍を全滅させてしまう失態を犯し、司令官を解任される。しかし優秀な人物という事からその後も重宝され、ナウシカとの出会いを経て大海嘯を回避する方法を模索する。

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チクク:神聖皇帝が即位する前に土鬼を統べていたクルバルカ家の末裔。故郷が腐海に没する危機に瀕した際、メーヴェに乗って現れたナウシカに助けられる。ナウシカの事を伝承の「白き翼の使徒」と確信したチククはそれ以降ナウシカと共に行動する。とても強い念話の能力を持っているが幼さゆえ、力を持て余し気味。ナウシカと別れた後もチャルカと行動し、互いのピンチを乗り越える。

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[森の人]

セルム:腐海の最も深い場所に住み、蟲の腸を服とし、蟲の卵を食べ、蟲の体液を家とする一族の長の息子。正体は謎に包まれており、かつて栄えたエフタルの民ではないかという推測はあるものの、博識のユパでさえ伝説の一族だと思っていたほどの人物。多くは語らないものの何故世界がこうなったか、人類はこれからどうなるかという真実を知っている節がある。ナウシカとは考え方が繋がるところがあり、明確な答えは与えないものの、ナウシカの行く末を案じ、助言を与える。

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蟲飼い:蟲を使い、遺跡や戦争跡地などで金品を探しそれで生計を立てる一族。

この世界では一般的に卑しい存在として差別の対象になっている。エフタルの武器商人の末裔と言われており、かつての大海嘯で戻る場所を失くし、腐海の中を生活の場に選んだとされる。

[先時代の人]

墓所の主:千年前の文明崩壊寸前に多数つくられた人工的な神の一つ。

とはいえ、正体は先時代の人々が作った黒い球体の一種のバイオコンピューター。先時代の知識や人類再興に必要な科学技術が全て入っており、人類復興するために影から土鬼族を支配していたいわば黒幕。夏至と冬至に一行ずつ表面に古代文字が浮かび上がり、土鬼の人たちはそれを解読し先時代のバイオテクノロジーを手に入れていた。体液は王蟲と同じような成分で王蟲よりも深い青色。

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以上が漫画版ナウシカを理解するうえで最低限知っておかなければならない人達です。

この他にもアスベルやジル、ミトやテトなど重要な人たちがいますがそれらは漫画版を読んでください。

ブワーッとキャラごとに書いてきましたが大まかな話の流れは

大海嘯が起こることを知る→ナウシカがトルメキアや土鬼の人を通して世界を渡り歩く。その間トルメキア、土鬼の中でも骨肉の後継者争いや戦争が起こっている→大海嘯を解決するも、シュワの墓所に人類の秘密、腐海や蟲の誕生の秘密があることを知る→シュワの墓所にて人類の真相を知る→ナウシカの決断

といった感じです。

この世の秘密  

これから書くのは物語終盤で庭の主と墓所の主が明かす世界の秘密です。

またこれがこの物語の一番重要な所でもあるので、漫画版を楽しみにしている人は読まないようにお願いします。

時系列順に行くとまず1000年前。行き過ぎた科学の進歩と人間の傲慢さにより世界は滅亡の危機に瀕していました。

海空大地は余すとこなく汚され、人が住めない程取り返しのつかない状態になり、追い打ちをかけるようにありとあらゆる宗教、戦争、正義、病気が起こり滅んでいきます。それを解決するためにはまず世界を一度リセットし、一からやり直さないといけないと考えた一部の人たちが巨神兵を作り、後に語られる火の七日間を起こしました。

その後、毒され荒廃した大地だけが残った地球に、その毒素を消すための腐海と蟲を放ちます。劇場版では腐海が汚染を綺麗にするための存在だという事は語られますが、それが人類が作り出したものだという事は出てきません。実際のところ、腐海と蟲は先時代の人類が作り出した汚染された世界を浄化させるための浄化装置だったのです。

そして火の七日間以降、今日まで生き続けてきた現在のナウシカたちのような新人類もまた、実は単純に生き延びただけではなく、もれなく全て先時代の人たちによってある目的の為に遺伝子操作を受けた人類だったのです。

どのような目的かというと、先時代の人々は長い悠久の浄化の時を経て、浄化された世界で再び自分たちが蘇るために、一旦体を捨て、自分たちの意識と技術をバイオテクノロジーに保存しました。これが聖都シュワにある墓所です。そして浄化が終わった世界で再び復活するためのツールとして、このバイオテクノロジーを守り、長期にわたり保存してくれる存在として現在のナウシカたち、新人類を作ったのです。

一息で死に至らしめる腐海の毒をあんな小さなマスクで解毒できるなんておかしいですよね?現在の新人類は腐海の毒にも適応するために、毒素なしでは生きていけないように遺伝子操作されたのです。

よってナウシカたち新人類はいずれ来る腐海が毒素を浄化しきり、一つも毒素がない世界が来ると短時間で血を吐き死に絶えてしまいます。それなのに今こうしている間にも着実にこの世界の毒素を浄化していく蟲と腐海。この真実を知らない新人類たちはそんなに遠くない未来、確実に死に絶えてしまう定めを背負っているのです。

これがこの世界の秘密です。

物語の最後にこの真実を伝え、とある交渉をもちかけた墓所の主と、真実を知ったナウシカが出す決断が「風の谷のナウシカ」の最大の見せ場。どのような決断をするかは是非自分の眼で確認してください。

まとめ  

漫画版ナウシカを読むと劇場版ナウシカがいかにプロローグ的な位置にある物語かがわかると思いますし、劇場版のその先にはとてつもなく大きなスケールの話が待ち受けていることがわかります。

設定の細かさや、物語の持って行き方、先ほど一部ネタバレしてしまいましたが最後の結末まで劇場版では味わえない宮崎ワールドの緻密さを体験でき、漫画版風の谷のナウシカを読むたびに、「宮崎駿の頭の中ではいつも物語はここまで設定していて、映画になっているのは本当に一部分なんだな」と感じることができると思います。

映画版がそこまで語らないのは必要ないからということもありますが、実際にここまで考えて作っている宮崎駿に感服です。

劇場版では語られなかった、ナウシカの葛藤、劇場版でも人気のユパ、クロトワ、クシャナなどの活躍シーン、骨太の世紀末感が漫画版だとしっかり丁寧に描かれているのでそこを見たい人にもおすすめ。

また漫画版に章分けは存在せず、一気に話は進んでいくので、後半はやや駆け足気味で話が進み、途中で物語を見失いがちです。漫画版を読まれる方は丁寧にゆっくり読んでください。

それに全7巻なのでワンピースみたいに理解するのに80巻も読まなくて済みます(笑)

ということで漫画版風の谷のナウシカ。是非読んでみてください。

ちなみに劇場版エンディングでのこのワンカット。

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単に劇場版見てからこのシーン見ると世界も浄化されてきているんだな!希望の光だ!!!ってな感じで受け取れますが、漫画版を読んでから見ると印象が大きく変わります。是非そういう所も楽しんでみてください。

どのように変わるかは

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