top of page

今週のツタヤ

別にGEOでもiTunesでもいいんですけどねw

・・・お久しぶりです。

気付けばもう6月下旬で、2015年も折り返し。

書いてない間に色々気になっているモノや映画が積って行き、どれから手を付けていいやらって状態にもなっていますが、今日もノラリクラリやっていきます。

では早速この記事では定番の映画から。いつもの1記事1映画の熱量で書いていたら一生終らないので今日はさらっと・・・・さらっとと言っても6作品あるので、全部読むのめんどくせえよって人は気になる映画の部分だけどうぞ。

  • ゴーンガール

  • ドラマ ハンニバル

  • ファンボーイズ

  • ゴジラ

  • テロ、ライブ

  • 思い出のマーニー

の順になっています。

【ゴーンガール(原題:Gone girl)/ 2014/ 米/ カラー/ 149分/ 監督:David Fincher】

ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け……(シネマトゥデイより抜粋)

 元々どこかで「この映画を見るまで2014年は終われない」とか言っておきながら、結局今になってツタヤで借りて、いそいそ見ているこの体たらく(笑)でも今になっても見てよかったと思う一本です。決して気分のいい映画ではないし、むしろカップルで見たりするにはお勧めしなかったりするこの映画ですが、やはりフィンチャー映画。ドラゴンタトゥーの女で見せたサスペンスでさえ可愛く見えるほどの今回のぶっ飛びブリw見ていて最早笑えるというか気持ちいいまでの唖然となる展開に最後まで釘付けです。ここまで最後までのめり込んでハラハラできる映画も久しくなかったかもしれません。

 この映画は映画全編に伏線が張り巡らされており、内容に触れる感想は何も書けません(見れば何故かわかります)。ただ、ラスト1分まで「とんだサイコ映画だ」と他人事で見ていた観客に、ある人物が最後の最後に言う一言によってそれが自分のすぐ横にストンと落とされるある意味でこの映画一番の恐怖は一度、味わうのもいいかもしれません。ある程度人生の機微を味わった人なら誰でもビビります、色々と。

 気になった方は、HPも映画サイトもなにも見ずにこのyoutubeの予告だけ見て、本編を見てください。この予告は監督が自ら監修した、映画を最高に楽しむ為に作った予告です。

https://www.youtube.com/watch?v=aq8X4FUMvKo

【ドラマ・ハンニバル(原題:Hannibal)/2014/ 米/ カラー/ 42分(1話)、シーズン1全13話、シーズン2全13話 】

 ウィル・グレアムは、自閉症スペクトリアムの一種として、あらゆる犯人に共感し、その動機や犯行当時の感情を再現できた。FBI行動分析課の長ジャック・クロフォードは、ミネソタ州で発生した若い女性ばかりを狙う連続殺人事件の捜査のため、ウィルの特殊な能力に着目する。ウィルの友人であり、彼の精神状態を危惧するFBI顧問のアラーナ・ブルームはこの起用に反対する。クロフォードは、アラーナを納得させるべく、彼女が師事した高名な精神科医であり、人食い殺人鬼ハンニバル・レクターにウィルの精神鑑定を依頼し、ウィルを捜査に加える・・・(wikipediaから抜粋)

 基本的にグロ耐性がないと厳しいドラマで、ハンニバルとハンニバルの犯行を模倣する模倣犯を主人公たちFBIが追っていく話が中心です。ここだけ書くとただのグロドラマかと思いがちですが、それ以上にハンニバルの美学、各々の殺人犯の美学、グレアムやFBIの美学がそれぞれ見てて面白い。妙な説得力と上品さがあります。なんなら、いつの間にかハンニバルの美学を理解しようとして、できていない模倣犯に苛立ちのようなものまで覚えてしまうようになります。「そうじゃないんだよ!ハンニバルはそうしないんだよ!!何でもっとハンニバルのような理念を持って殺せない!?」というような(笑)

 それもこれも話運びが絶妙だからで、全体的にも24やLOSTのような過剰なまでの期待を引っ張るような手法はせず、毎話ちゃんと締めてくれる、なのに続きが見たくなるという切れそうで切れない期待感。Xファイルのそれに似た部分がありますね。

 そして何よりこのドラマで個人的に一番のお勧めなのが、本編とは関係ないのですが「エンディングへの入り方」です。毎回絶妙な所で本編を切り、エンドロールが流れるのですが、このドラマはその入り方がもの凄く綺麗。本当に綺麗。思わずハッとなり最後までエンドロールを見てしまいます。ただ本編を切る場所、流れる音楽、雰囲気、それらが綺麗なんですw初めてこのドラマを見た時はいつかの夜中で、しかも4話か5話の途中でしたがこのエンディングの入り方を見た瞬間に「・・・これは全部見なきゃ」となりました。なので気になった方はエンディングの入り方にも注目してください。

【ファンボーイズ(原題:Fanboys)/ 2008年/ 米/ カラー/ 90分/監督:Kyle Newman】

待望のスターウォーズエピソード1(以下SWE1)の公開が半年後に迫ったとき、生粋のスターウォーズファンのライナスは末期癌により余命3ヶ月を言い渡される。ライナスの仲間で同じくスターウォーズファンのハッチ等はライナスが死ぬ前にどうにかしてSWE1を見せる方法はないかと考え抜いた結果、カリフォルニア州にあるルーカススタジオに侵入することを決意する。途中スタートレックファンの妨害などもありながら、ライナス一行は無事SWE1を見ることができるのか。

 この映画自体は、SWのファンである制作陣がSW愛を爆発させ、パロディーをふんだんに入れ作ったロードムービー風コメディ映画でいわばファンムービーなのに、そのSW愛からなんと公開後にSWの監督ジョージルーカスに公認をもらっちゃってます。そして低予算の映画風ですが、カメオ出演で出てくるチョイ役には本家SWに出てきたレイア姫役のキャリーフィッシャーダースモール役のレイパーク、更にはスタートレックでカークを演じたリアムシャトナー (基本的にSWファンとスタートレックファンは仲が悪い。)など豪華な俳優が贅沢に使われています。

 そして今年2015年はスターウォーズの新作「エピソード7/フォースの覚醒」が公開する年で、ファンに言わせれば「スターウォーズイヤー」なわけです。この映画の設定にも通じるものがあり、本家のSWだけでなくこの映画自体も見直される機会が多くなってきています(ツタヤで見てもレンタルされている時がちらほら)。これから年の瀬にかけてSW熱がどんどん上がっていくのは火を見るより明らか。もちろんまとめて復習鑑賞する人も出てくると思いますが、是非その中に今作を追加して見てみてください。もちろんこれを見るのはSWを見終わってから。

 基本的にゆるいコメディなので映画の出来云々よりも、何も考えずポップコーンとコーラ片手に気楽にどうぞw あ、肝心のお笑い要素ですがこれは意外にも日本の笑いのツボに近く、親近感が湧くものだったので予想外にポイント高かったです(笑)

【ゴジラ(原題:Godzilla)/ 2014年/ 米/ カラー/ 123分/ 監督:Gareth Wdwards】

1999年、日本。原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。(シネマトゥデイより抜粋)

 結果から言うと・・・・これはいただけない。前作(?)のエメリッヒ版ゴジラがただのトカゲパニックムービーで意味不明だったからこそ、今作は際立ってそれ以上に本家ゴジラをリスペクトして作られているように見えます。

 ただ、戦時中に被爆し、敗戦後GHQに占領された日本人の複雑な感情をバックグラウンドに持つゴジラの本質を、今作ではただの「自然の調停者」としてしまった時点で今回のゴジラにリメイクした意義はありません。途中、核の描写で覚醒した原因が福島の原発事故をモチーフにしていたり、怪獣を倒すのに核を用いることを愚かなことと描いている点は良いですが、そのメッセージ性は1957年から始まる日本のゴジラシリーズで既に描いています。このタイミングでリメイクするからには過去のゴジラシリーズよりも更に一歩踏み込んだメッセージ性と、1957年の時点でゴジラが持っていた先見性を2014年に持ってこなければいけませんでした。

 核の内容をちらつかせ、エメリッヒ版よりは本家ゴジラに近いフォルムと内容を見せてはいるものの、それらがない今作は結局エメリッヒ版同様ただのパニックムービーにしかなっていなかったという印象。これなら「ゴジラ」である必要はありません。

今作を見る意義は「現代のCG技術でゴジラを描くとどう見えるのか」。これに尽きます。

 最後に一言言っておくと、、、、、散々焦らした末に来るゴジラ登場の咆哮シーンには迫力はありますし、パニックムービーとしては楽しめます。

【テロ、ライブ(原題:더 데러 라이브)/2013年/ 韓/ カラー/ 98分/監督:キム・ビョンウ】

国民的アナウンサーとして活躍していたが、ある不祥事でテレビ局からラジオ局へ飛ばされてしまったユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)。ある朝、生放送中の彼の番組に脅迫電話がかかってくる。イタズラと思って電話を切るが、その瞬間に漢江に架かるマポ大橋が爆破される。やがて、連続する爆破テロの犯人が脅迫電話の相手だと判断したヨンファは、彼との通話をテレビで独占生中継する・・。(シネマトゥデイより抜粋)

 ほんっっっっまに韓国映画に行政機関や企業上層部の腐敗を描かせたらダントツやなっていうくらいに出てくるキャラというキャラ、全員腐ってます(笑)

 この映画の怖いところは、テロが起こり、人道的に動く人がいるのかと思いきや、どの人も自分の利権(出世、視聴率アップ、保身等)ばかり考えて行動している所と、小さな道徳心は大きな私利私欲の前には酷く脆いという所、そしてそれらを何も間違っていないと思い行動している所です。

 この映画を見てまず真っ先に思い出されるのはセウォル号の事件とナッツリターン事件。橋に残された被害者のシーンや、局長が責任逃れをしているシーンを見ると図らずとも頭をよぎるでしょう。この映画が作られた背景は様々でしょうが、今の韓国が抱えている社会問題、悪しき気質、闇を垣間見られるような作品になっています。

 しかしこの映画で特記して書くべきことはそこではなく、素晴らしい「先見の明」。

ゴジラになかったそれです(笑) 実はこの映画が出来たのはセウォル号の事件の前で、それをズバリ予見して作られたかのような本作は特筆すべき社会派サスペンスと言えます。社会派ドラマの制作として必要な「時代と現状を鋭く見抜く力」というモノを監督がしっかり持っていた証でもあります。

 またクライマックスが急展開過ぎる(韓国映画ではよくある。良くも悪くも韓国映画は何か最後に一発かましてやろうというモノが多い(笑))というのもありますが、序盤から始まる犯人の謎、心理戦、テロの脅威、周りの利権争い等がどれも上出来で、舞台のほとんどが放送室で終わる本作でも飽きずに最後まで見られます。そういう意味でも今の韓国を鋭く切った本作は骨太で上質の社会派サスペンスと言えます。

【思い出のマーニー(原作:When Marnie was there)/ 2014年/ 邦/ カラー/ 103分/ 監督:米林宏昌】

 心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。(シネマトゥデイより抜粋)

 ギリギリ・・・・・・・良い!w耳をすませばや海がきこえるのようないわば日常系のジブリ作品かと思いきや、最後でピリリとカラクリが効いている本作。そのカラクリを見せるための伏線の張り方から回収の仕方は素晴らしいです(2回目見てびっくり)。そのカラクリで重要な「抽象性」というものをちゃんと最後まで残して進めて行ってくれます。美術にしてもこれまでのジブリ作品の中ではピカイチなくらい細かく綺麗に描かれていますし、音楽の入れ方はこっちが「ここで音楽が欲しい」という所にそっと流してくれる秀逸さがあります。

 ただこの作品で一番伝えたいであろう、杏奈の成長については「惜しい」と言わざるを得ません。自分の世界と外の一般的社会とのバランスがうまく取れない、いわば周りから無関心、変な子と捉えられていた杏奈がマーニーや周りの人との出会いを通して、次第に成長し、その調和が取れていく、という道筋が少しドタバタ過ぎます

 そうならないように様々な工夫や演出をしていますが、それでも杏奈の成長が「している」のではなく「させられてる」ように見えて少し息苦しいのです。最後の謎解きもあんなに説明過多にならず、もっと抽象的にする方が原作の良い雰囲気に近づけたように思えます。これらに関しては単に時間が足らないだけで、監督の手腕が足りないという感じではありませんが、ただそれが話の根幹に関わる所だから惜しいのです(笑)

 宮崎駿ならこれらの問題をグルッと爽快にまとめ上げてくれるかもしれません。宮崎作品には有無を言わさぬ説得力と推進力がありますから。しかし、宮崎駿にはこの年頃の女の子が抱える硝子のような繊細さは出せないでしょう。「思い出のマーニー」はこの繊細さが土台にあってこそで、それは米林監督だから出せたものです。そういう意味ではジブリが掲げた脱宮崎駿というモノを示せたのではないでしょうか。

 ジブリ映画というのは公開前から「ジブリなら何でも国民的傑作映画」というレッテルが張られがちですが、今回はそれが少し仇になったかもしれません。もしこれが人知れずどこかの小さな映画館でひっそり上映していたのなら、じわじわ人気が出て・・・ってパターンになっていたかもしれません。それほどにアンバランスな上に立っているような質です

 難しいかもしれませんが、もし初見で今作を見る場合は、「ジブリ作品」ということはまず置いといて、本来の計算しつくされたディールの変化(手紙、髪型、天気、表情等)から繊細なものを汲み取るように見るのをお勧めします。

p.s.僕自身そういう趣向はありませんが「ひと夏」「百合」ってだけで「こいつ、わかってんな」となりました。やはり夏を舞台にした青春物はイイ!

今回は以上です。さらっとって言っときながら今日も長くなってしまいましたw

一応次はワイルドスピードか、MADMAXか、最近凝っている熱帯魚の記事を書こうと思っています。

多分今回ほど時間が空かずにまた公開できると思うので楽しみにしている方がいれば、楽しみにしていてください(笑)では。

bottom of page